チョ・ソンジンリサイタル@サントリーホール [ピアノ]
チョ・ソンジン@サントリーへ。
生で聴くの初めて。
圧巻だったのがリストのソナタ。
ベルクから間髪いれず始まり、突然スイッチ入ったかのような切り替わりと勢いと力強さ。音色、美しさも一気にレンジが広がる。素晴らしかった。
前半のモーツァルト、シューベルトは極めて折り目正しいきっちりした演奏だったので、その分インパクトあったのかも。
アンコールのショパンの葬送行進曲、それだけで取り上げられると一瞬ギョッとする。そうなると2曲目のモーツァルトの出だしの短調への転調も何か影を落とすような印象になり、その後はあまり落ち着いて聞けなかった、、、
アンコールはともかく、単に正統派ということではなく、とても懐の深いスケールの大きさを感じるピアニスト。
また聞きに行きたい。
(プログラム)
モーツァルト 幻想曲ニ短調 k.397
モーツァルト ピアノソナタ3番
シューベルト さすらい人幻想曲
ベルク ソナタ
リスト ソナタ
(アンコール)
ショパン 葬送行進曲
モーツァルト ピアノソナタk.332 第2楽章
生で聴くの初めて。
圧巻だったのがリストのソナタ。
ベルクから間髪いれず始まり、突然スイッチ入ったかのような切り替わりと勢いと力強さ。音色、美しさも一気にレンジが広がる。素晴らしかった。
前半のモーツァルト、シューベルトは極めて折り目正しいきっちりした演奏だったので、その分インパクトあったのかも。
アンコールのショパンの葬送行進曲、それだけで取り上げられると一瞬ギョッとする。そうなると2曲目のモーツァルトの出だしの短調への転調も何か影を落とすような印象になり、その後はあまり落ち着いて聞けなかった、、、
アンコールはともかく、単に正統派ということではなく、とても懐の深いスケールの大きさを感じるピアニスト。
また聞きに行きたい。
(プログラム)
モーツァルト 幻想曲ニ短調 k.397
モーツァルト ピアノソナタ3番
シューベルト さすらい人幻想曲
ベルク ソナタ
リスト ソナタ
(アンコール)
ショパン 葬送行進曲
モーツァルト ピアノソナタk.332 第2楽章
H28.10.28 マレイ・ペライア ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール [ピアノ]
ペライアのリサイタル、浜離宮へ。2013年以来3年ぶりの演奏会。
席が後ろの方で心配していましたが、このホールの広さであれば全く問題なく、これまで大きいホールで聞こえなかったような様々な音を聴くことができました。
滋味溢れるだけでなく、時には荒々しく、そして曲への愛情、一音一音へのこだわり、、、
それがあくまでも自然に音楽として流れている。また後半のベートーヴェンでは自分そのものを隠すところなくさらけ出し、音楽だけでなくペライアの人柄そのものを感じることのできた、そんな気がします。聴く方もそれを一音たりとも聞き逃したくない、そんな気持ちのせいかあっという間に終わってしまった演奏会でした。
(プログラム)
ハイドン アンダンテと変奏曲 Op.83
モーツァルト ピアノソナタ K.310
ブラームス 6つの小品からバラード Op.118-3
4つの小品から間奏曲Op.119-3
4つの小品から間奏曲Op.119-2
6つの小品から間奏曲Op.118-2
幻想曲集から第1番Op.116-1
~休憩~
ベートーヴェン ピアノソナタ第29番 Op.106「ハンマークラヴィア」
全体感では、やはり音色に驚嘆。場面場面によって様々な顔を見せますが、共通して言えるのは澄みきった美しさ、磨き上げられたガラスの玉のような輝きをもちながら優しさに溢れており、ペライアの音への心配りが聴いている方にも伝わってきます。そして荒々しく弾いていても(今回かなりそういう場面がありました)、決して音は割れずピンと張りつめたような音を感じます。そしてふっと優しく美しい音へ切り替わる、、、何度もハッとさせられました。
そして、これも曲に関わらずですが、各声部が良く歌うだけでなく、その絡みがはっきりと聞こえ、見事に調和しているのを感じます。ハイドンやモーツァルトで左が単純に和音や分散和音で伴奏するところですら歌を感じる、、、驚きました。複雑なブラームスの後期の小品ではそれがさらに鮮やかに。息をするかのように自然にそういった弾き分けができており、ベートーヴェンの1楽章や終楽章などで荒々しく弾くようなところでも、それは崩れることはなく、曲の構成含めて鮮やかに目の前に浮かび上がらせてくれます。
また今回は、曲順の構成についても強く感じました。ハイドンのような音の少ないもので1音1音の美しさを楽しませ、モーツァルトで音、音色に厚みを増し、ブラームスで音量、色彩感が一気に加速する、、、聴いていてクラクラさせられます。
そしてブラームス後期小品のコラージュ。不思議な並び順ですが、Op.118-3を冒頭に持ってきたのは、モーツァルトでもそれなりに音が増え厚みを増したのを感じている中で、突然広がる音域、音の厚み、色彩を鮮やかに感じさせるためだったのか、そう感じました。Op.116-1、あの曲集の幕開けとなる曲を最後に持ってくるところに違和感を感じていましたが、演奏を聞いて納得。1曲目とは明らかに弾き方が違いました。あの激しさを最後に前半をまとめたかった、そして後半への序章、、、そんな意図があったのではないかと思います。
そして後半のベートーヴェン。高まったボルテージそのままに一気に曲へ入り込み、最後まで駆け抜けていきました。
さすがに今回は疲れたのかアンコールは無しでしたが、いつまでもこの世界に浸っていたい、そんな余韻を残して演奏会は終わりました。69歳にしてこの演奏、、、次も必ず聴きに行きたいと思います。
各曲の感想ですが、備忘で書き留めておきます。
ハイドン:主題の美しさ、右の旋律の歌い方、音の輝きが素晴らしい。各変奏での左右の歌のバランスと交わり方、おどろいた。
モーツァルト:短調でありながら、明るい響き。こんなに輝かしい響きの演奏は初めて。1楽章の左の伴奏が単なる分散和音の羅列ではなく、そこにも歌がある。音のボリューム、音楽の陰影がくっきりと聞こえる。モーツァルトでこういった響きがあるのかと驚嘆。また2楽章の滋味溢れる優しさ、、、素晴らしい。
ブラームス:後期小品のコラージュ。鮮やかな色彩を感じるようにあえてOp118-3を冒頭に持ってきたような気がする。中間部の各声部の絡み合いがくっきり。3人で歌っている。Op.119-3、2とも従前聴いたときよりも音の輝きがパワーアップしている。Op118-2はあくまで自然。澄み切った音、歌があくまでも自然に流れている。そしてOp116-1。なんでこの曲が最後なのか不思議だったが、並べて聴いているとその意図が良く分かる。弾き方もそれに合わせて1曲目で弾くのとは違う弾きかただったと思う。そして、後半への助走という意味合いもきっとあっただろう。
ベートーヴェン:スケール、音楽の奥行き、音色の輝き、すべてが素晴らしいのはもちろん、ペライアそのものがさらけ出され、こちらにぶつけてきている、そんな演奏。冒頭ものすごい勢いで突っ込んできておどろいたが、見事なバランスで最後まで一気にいった。3楽章があんなに充実した音楽だというのは今回初めて知った。もっともっとこの曲を知る必要がある。そしてフーガ。冒頭の旋律の音が強靭で充実、粒揃いも含めて背筋に寒気がした。一気に最後まで、、、素晴らしい。
席が後ろの方で心配していましたが、このホールの広さであれば全く問題なく、これまで大きいホールで聞こえなかったような様々な音を聴くことができました。
滋味溢れるだけでなく、時には荒々しく、そして曲への愛情、一音一音へのこだわり、、、
それがあくまでも自然に音楽として流れている。また後半のベートーヴェンでは自分そのものを隠すところなくさらけ出し、音楽だけでなくペライアの人柄そのものを感じることのできた、そんな気がします。聴く方もそれを一音たりとも聞き逃したくない、そんな気持ちのせいかあっという間に終わってしまった演奏会でした。
(プログラム)
ハイドン アンダンテと変奏曲 Op.83
モーツァルト ピアノソナタ K.310
ブラームス 6つの小品からバラード Op.118-3
4つの小品から間奏曲Op.119-3
4つの小品から間奏曲Op.119-2
6つの小品から間奏曲Op.118-2
幻想曲集から第1番Op.116-1
~休憩~
ベートーヴェン ピアノソナタ第29番 Op.106「ハンマークラヴィア」
全体感では、やはり音色に驚嘆。場面場面によって様々な顔を見せますが、共通して言えるのは澄みきった美しさ、磨き上げられたガラスの玉のような輝きをもちながら優しさに溢れており、ペライアの音への心配りが聴いている方にも伝わってきます。そして荒々しく弾いていても(今回かなりそういう場面がありました)、決して音は割れずピンと張りつめたような音を感じます。そしてふっと優しく美しい音へ切り替わる、、、何度もハッとさせられました。
そして、これも曲に関わらずですが、各声部が良く歌うだけでなく、その絡みがはっきりと聞こえ、見事に調和しているのを感じます。ハイドンやモーツァルトで左が単純に和音や分散和音で伴奏するところですら歌を感じる、、、驚きました。複雑なブラームスの後期の小品ではそれがさらに鮮やかに。息をするかのように自然にそういった弾き分けができており、ベートーヴェンの1楽章や終楽章などで荒々しく弾くようなところでも、それは崩れることはなく、曲の構成含めて鮮やかに目の前に浮かび上がらせてくれます。
また今回は、曲順の構成についても強く感じました。ハイドンのような音の少ないもので1音1音の美しさを楽しませ、モーツァルトで音、音色に厚みを増し、ブラームスで音量、色彩感が一気に加速する、、、聴いていてクラクラさせられます。
そしてブラームス後期小品のコラージュ。不思議な並び順ですが、Op.118-3を冒頭に持ってきたのは、モーツァルトでもそれなりに音が増え厚みを増したのを感じている中で、突然広がる音域、音の厚み、色彩を鮮やかに感じさせるためだったのか、そう感じました。Op.116-1、あの曲集の幕開けとなる曲を最後に持ってくるところに違和感を感じていましたが、演奏を聞いて納得。1曲目とは明らかに弾き方が違いました。あの激しさを最後に前半をまとめたかった、そして後半への序章、、、そんな意図があったのではないかと思います。
そして後半のベートーヴェン。高まったボルテージそのままに一気に曲へ入り込み、最後まで駆け抜けていきました。
さすがに今回は疲れたのかアンコールは無しでしたが、いつまでもこの世界に浸っていたい、そんな余韻を残して演奏会は終わりました。69歳にしてこの演奏、、、次も必ず聴きに行きたいと思います。
各曲の感想ですが、備忘で書き留めておきます。
ハイドン:主題の美しさ、右の旋律の歌い方、音の輝きが素晴らしい。各変奏での左右の歌のバランスと交わり方、おどろいた。
モーツァルト:短調でありながら、明るい響き。こんなに輝かしい響きの演奏は初めて。1楽章の左の伴奏が単なる分散和音の羅列ではなく、そこにも歌がある。音のボリューム、音楽の陰影がくっきりと聞こえる。モーツァルトでこういった響きがあるのかと驚嘆。また2楽章の滋味溢れる優しさ、、、素晴らしい。
ブラームス:後期小品のコラージュ。鮮やかな色彩を感じるようにあえてOp118-3を冒頭に持ってきたような気がする。中間部の各声部の絡み合いがくっきり。3人で歌っている。Op.119-3、2とも従前聴いたときよりも音の輝きがパワーアップしている。Op118-2はあくまで自然。澄み切った音、歌があくまでも自然に流れている。そしてOp116-1。なんでこの曲が最後なのか不思議だったが、並べて聴いているとその意図が良く分かる。弾き方もそれに合わせて1曲目で弾くのとは違う弾きかただったと思う。そして、後半への助走という意味合いもきっとあっただろう。
ベートーヴェン:スケール、音楽の奥行き、音色の輝き、すべてが素晴らしいのはもちろん、ペライアそのものがさらけ出され、こちらにぶつけてきている、そんな演奏。冒頭ものすごい勢いで突っ込んできておどろいたが、見事なバランスで最後まで一気にいった。3楽章があんなに充実した音楽だというのは今回初めて知った。もっともっとこの曲を知る必要がある。そしてフーガ。冒頭の旋律の音が強靭で充実、粒揃いも含めて背筋に寒気がした。一気に最後まで、、、素晴らしい。
マウリツィオ・ポリーニ ピアノリサイタル [ピアノ]
ミューザ川崎へ。ポリーニの演奏会へ行ってきました。
【曲目】
(前半)
ショパン :前奏曲Op.45、舟歌、夜想曲Op.55、子守歌、ポロネーズOp.53
(後半)
ドビュッシー 前奏曲第2集
(アンコール)
ドビュッシー 沈める寺、ショパン バラード1番
出だしは止まるんじゃないかというほどヒヤヒヤするところもありましたが、その後は落ち着き、後半、アンコールのドビュッシー、硬質でクリアな美しい音を満喫。
特に印象に残ったのがヒース、月の降り注ぐ~での響きの美しさ。そして、ラヴィーヌ将軍や交代する三度での鋭いキレ、リズム感。素晴らしかった。
曲目変更になったドビュッシーが素晴らしかったというのは、やはりポリーニ自身が今弾きたい曲だったということだったのかなと。シューマン聴けなかったのは残念だけれども。
その他印象に残っているのは、前半のショパンのOp.55-2。音の美しさばかりに耳が行きますが、声部の細かい絡み合いをさらっと、でもはっきりとわかりやすく弾き分けており、改めてこの曲の素晴らしさを教えてもらったような気がします。そして、アンコールの沈める寺の音の深さ、響きの余韻、、、ため息ものでした。
ポリーニを聴き始めたのはこの1-2年。まだまだ聞いていないディスクも多く、もっといろいろ聴いてみいてみようと。そして、次があるかわからないけれど、生で聴ける機会、もしあったら是非また行きたいな。
余談ですがピアノはあのファブリーニだったのですが、始まる前から写真バシバシ取ってる人が沢山。(自分もですが、、、)
休憩時間には、調律しているところを取る人で舞台前が賑わってました、、、昨今撮影が禁じられる会場が多い中、とても不思議な風景でした。
【曲目】
(前半)
ショパン :前奏曲Op.45、舟歌、夜想曲Op.55、子守歌、ポロネーズOp.53
(後半)
ドビュッシー 前奏曲第2集
(アンコール)
ドビュッシー 沈める寺、ショパン バラード1番
出だしは止まるんじゃないかというほどヒヤヒヤするところもありましたが、その後は落ち着き、後半、アンコールのドビュッシー、硬質でクリアな美しい音を満喫。
特に印象に残ったのがヒース、月の降り注ぐ~での響きの美しさ。そして、ラヴィーヌ将軍や交代する三度での鋭いキレ、リズム感。素晴らしかった。
曲目変更になったドビュッシーが素晴らしかったというのは、やはりポリーニ自身が今弾きたい曲だったということだったのかなと。シューマン聴けなかったのは残念だけれども。
その他印象に残っているのは、前半のショパンのOp.55-2。音の美しさばかりに耳が行きますが、声部の細かい絡み合いをさらっと、でもはっきりとわかりやすく弾き分けており、改めてこの曲の素晴らしさを教えてもらったような気がします。そして、アンコールの沈める寺の音の深さ、響きの余韻、、、ため息ものでした。
ポリーニを聴き始めたのはこの1-2年。まだまだ聞いていないディスクも多く、もっといろいろ聴いてみいてみようと。そして、次があるかわからないけれど、生で聴ける機会、もしあったら是非また行きたいな。
余談ですがピアノはあのファブリーニだったのですが、始まる前から写真バシバシ取ってる人が沢山。(自分もですが、、、)
休憩時間には、調律しているところを取る人で舞台前が賑わってました、、、昨今撮影が禁じられる会場が多い中、とても不思議な風景でした。
河村尚子ピアノリサイタル@Kitara [ピアノ]
Kitaraで河村尚子さんのオールショパンプログラム。雪の降る中での演奏会でした。
前半のソナタ2番も良かったけれど、後半の前奏曲が素晴らしく。曲の個性を河村さんの持ち味がしっかり引き出していた。
奔放でグイグイいきつつも極限まで張り詰めた美しい音。15,18,23,24番が特に印象深く。
そして、アンコールは前奏曲繋がりで、遺作と17番の変イ長調の2曲。調の優しさでほんわりと終演。気持ち良い時間を過ごすことができました。
前奏曲、バラバラでも少しずつさらっていきたいなと、そんな気持ちに。
初めてのホールも心地よかったです。Kitara、いいホールです。
前半のソナタ2番も良かったけれど、後半の前奏曲が素晴らしく。曲の個性を河村さんの持ち味がしっかり引き出していた。
奔放でグイグイいきつつも極限まで張り詰めた美しい音。15,18,23,24番が特に印象深く。
そして、アンコールは前奏曲繋がりで、遺作と17番の変イ長調の2曲。調の優しさでほんわりと終演。気持ち良い時間を過ごすことができました。
前奏曲、バラバラでも少しずつさらっていきたいなと、そんな気持ちに。
初めてのホールも心地よかったです。Kitara、いいホールです。
第3回そなてん演奏会 [ピアノ]
サークルの演奏会でした。
ベートーヴェンのop.109の3楽章とブラームスのチェロソナタ1番の1楽章を。
素晴らしい会場とピアノ。楽しかった。
また来年。
ベートーヴェンのop.109の3楽章とブラームスのチェロソナタ1番の1楽章を。
素晴らしい会場とピアノ。楽しかった。
また来年。